小樽商大図書館ツアーを実施
札幌日仏協会は5月23日、小樽商科大学に保存されている貴重図書を見学する「図書館ツアー」を初めて実施しました。
協会の江口修顧問(小樽商大名誉教授)の発案と力添えで実現し、札幌のほか旭川、北見から計15人が参加しました。
付属図書館には、フランス啓蒙思想の金字塔と称されるディドロ、ダランベール編纂による『百科全書』初版本(全35巻)など希少価値の高い図書を多数所蔵しており、参加者はこうした図書、文献に触れながら、感嘆の声をあげていました。
小樽商大は1911年(明治44年)の創立以来、多くの学者をフランス、ドイツ、イギリスなどに留学させ、その学者たちが現地の古書店などで貴重図書を発掘、購入して持ち帰り、図書館に寄贈したといいます。中でも、1919年から42年まで同大の教壇に立った手塚寿郎教授が寄贈した「手塚文庫」(約6600点)は、その大部分がフランスの政治・法律・経済・社会学・哲学書で構成され、その内容の豊富さは国内で例を見ないと言われております。一般にはなかなか見学できない場所だけに、参加した皆さんには知的好奇心を満たして頂きました。
見学の後は、大学からまちまで、地獄坂を呼ばれる急傾斜の坂道周辺を散策しながら下り、夕刻には小樽のまちで懇親会を開いて、和やかに交流しました。
(理事長・加藤利器)